WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)
- ウェブのコンテンツを障害のある人に使いやすいようにするためのアクセシビリティに関するガイドライン
- 国際標準化機構のW3C(World Wide Web Consortium)のWAI(Web Accessibility Initiative)によって公開されている
- W3C
- WWW(World Wide Web)で使用される各種技術の標準化を推進するために設立された標準化団体・非営利団体
- WWW
- インターネット上で提供されているハイパーテキストシステム
- ハイパーテキスト
- 複数の文書を相互に関連付け、結び付ける仕組み
- ハイパーテキスト
- インターネット上で提供されているハイパーテキストシステム
- WAI
- 標準のブラウザだけでなく、様々なユーザーエージェントを用いてWWWにアクセスする人々のためにウェブアクセシビリティを向上することを目的としている団体
- W3C
- 障害者に配慮することで、その結果ほとんどの利用者にとっても使いやすい内容となることを目指している
- 1994
- 最初のウェブアクセシビリティ・ガイドライングレッグ・ヴァンダーヘイデンによって編纂された
- 1995/01
- シカゴでの第2回World Wide Web国際会議がきっかけで、WCAG 1.0が公開される
- 1999/05/05
- WCAG 1.0がW3C勧告となる
- W3Cの規格を扱うワーキンググループにおける批准プロセスの最終段階
- W3C勧告となった文書は、W3Cと一般社会のレビューを済ませている状態
- 標準化過程
- 作業草稿(Working Draft / WD)
- 事実上誰のコメントも受け付ける段階
- コミュニティでのレビューが行われる
- 勧告候補(Candidate Recommendation / CR)
- WDよりも安定している段階
- 開発コミュニティから実装方法についての援助を引き出す
- 勧告案(Proposed Recommendation / PR)
- 2つの段階を経た規格
- 規格のユーザーや実装者には、この時点までに意見を述べる機会がある
- W3C勧告
- 規格策定の最終段階
- 勧告の廃止
- 勧告の一部または全部が不適当と判断された場合、まず勧告の解除提案がされる
- 提案が承認されるとその文書は勧告ではなくなる
- 作業草稿(Working Draft / WD)
- 14のガイドラインで構成されている
- ガイドライン1: 聴覚的かつ視覚的コンテンツと同等の代替手段を提供する
- ガイドライン2: 色だけに頼らない
- ガイドライン3: マークアップとスタイルシートを使い、かつ適切に使用する
- ガイドライン4: 明確な自然言語の用法
- ガイドライン5: 円滑に変換するテーブルを作成する
- ガイドライン6: 新技術を特徴とするページが円滑に動くようにする
- ガイドライン7: 時間に敏感なコンテンツ変更のユーザー制御を確保する
- ガイドライン8: 組み込みユーザーインターフェースの直接的なアクセシビリティを確保する
- ガイドライン9: 独立したデバイス設計
- ガイドライン10: ユーザー暫定ソリューション
- ガイドライン11: W3Cの技術およびガイドラインの使用
- ガイドライン12: コンテキストとオリエンテーション情報の提供
- ガイドライン13: 明快なナビゲーション機構の提供
- ガイドライン14: 文章が明快かつ簡潔であること
- 各ガイドラインはウェブアクセシビリティの基本テーマを網羅しており、それを特定ウェブページの機能にどう適用すればいいのかを説明する1つ以上のチェックポイントと関連付けられている
- 計65のチェックポイントがあり、それぞれに優先度が割り当てられている
- 優先度1: must / レベル適合 A
- 優先度2: should / レベル適合 AA
- 優先度3: may / レベル適合 AAA
- 計65のチェックポイントがあり、それぞれに優先度が割り当てられている
- WCAG 1.0がW3C勧告となる
- 2008/02
- ジョー・クラーク率いるW3Cと独立した開発者グループのWCAG Samuraiが、WCAG 1.0の修正と拡張を公開する
- 2008/12
- WCAG 2.0がW3C勧告となる
- https://waic.jp/translations/WCAG20/Overview.html
- 4つの原則(ウェブサイトは「知覚可能」で「操作可能」で「理解可能」で「堅牢」でなくてはならない)に基づいて構築された12のガイドラインからなる
- 各ガイドラインには、テスト可能な成功基準が61ある
- WCAG 1.0同様に3つの適合レベル(A、AA、AAA)を使用する
- 知覚可能
- 情報およびユーザインタフェースコンポーネントは、利用者が知覚できる方法で利用者に提示可能でなければならない
- ガイドライン 1.1: すべての非テキストコンテンツには、拡大印刷、点字、音声、シンボル、平易な言葉などの利用者が必要とする形式に変換できるように、テキストによる代替を提供すること
- ガイドライン 1.2: 時間依存メディアには代替コンテンツを提供すること
- ガイドライン 1.3: 情報、及び構造を損なうことなく、様々な方法 (例えば、よりシンプルなレイアウト) で提供できるようにコンテンツを制作すること
- ガイドライン 1.4: コンテンツを、利用者にとって見やすく、聞きやすいものにすること。これには、前景と背景を区別することも含む
- 情報およびユーザインタフェースコンポーネントは、利用者が知覚できる方法で利用者に提示可能でなければならない
- 操作可能
- ユーザインタフェースコンポーネントおよびナビゲーションは操作可能でなければならない
- ガイドライン 2.1: すべての機能をキーボードから利用できるようにすること
- ガイドライン 2.2: 利用者がコンテンツを読み、使用するために十分な時間を提供すること
- ガイドライン 2.3: 発作を引き起こすようなコンテンツを設計しないこと
- ガイドライン 2.4: 利用者がナビゲートしたり、コンテンツを探し出したり、現在位置を確認したりすることを手助けする手段を提供すること
- ユーザインタフェースコンポーネントおよびナビゲーションは操作可能でなければならない
- 理解可能
- 情報およびユーザインタフェースの操作は理解可能でなければならない
- ガイドライン 3.1: テキストのコンテンツを読みやすく理解可能にすること
- ガイドライン 3.2: ウェブページの表示や挙動を予測可能にすること
- ガイドライン 3.3: 利用者の間違いを防ぎ、修正を支援すること
- 情報およびユーザインタフェースの操作は理解可能でなければならない
- 堅牢
- コンテンツは、支援技術を含む様々なユーザーエージェントが確実に解釈できるように十分に堅牢でなければならない
- ガイドライン 4.1: 現在及び将来の、支援技術を含むユーザエージェントとの互換性を最大化すること
- コンテンツは、支援技術を含む様々なユーザーエージェントが確実に解釈できるように十分に堅牢でなければならない
- 知覚可能
- WCAG 2.0がW3C勧告となる
- 2012/10
- WCAG 2.0がISO/IEC 40500:2012としてISO標準となる
- 2018/06
- WCAG 2.1がW3C勧告となる
- https://waic.jp/translations/WCAG21/
- WCAG 2.0と下位互換性があり、17の成功基準が追加されて拡張された
- WCAG 2.1がW3C勧告となる
- 2023/10
- WCAG 2.2がW3C勧告となる
- https://waic.jp/translations/WCAG22/
- WCAG 2.1と下位互換性があり、WCAG 2.1では9つの成功基準が拡張され、WCAG 2.0では26の成功基準(WCAG 2.1で導入された17の成功基準を含む)が拡張された
- 4.1.1の成功基準が廃止され、削除された
- WCAG 2.2がW3C勧告となる